マドパー配合錠の着色変化
パーキンソン治療薬「マドパー配合錠」(レボドパ+DDC阻害薬、中外製薬)は、アルカリ性製剤との一包化により着色変化があるため、一包化の際注意が必要です。
マドパー配合錠・添付文書には
適用上の注意
2. 調剤時
アルカリ性薬剤との調剤(一包化)により、着色変化を起こすことがあるので注意すること。
との記載があり、インタビューフォームには
6.他剤との配合変化(物理化学的変化)
レボドパ
30℃ 92%RH で、スルピリン、ミグレニン、安息香酸ナトリウムカフェイン、ジアスターゼ、パンクレ
アチン、酸化マグネシウム、アスコルビン酸含有製剤などとの配合は湿潤や着色のため不適であり、アル
カリや還元剤によって分解されるので、消化器用剤、ビタミン剤などとの配合には注意する。ベンセラジド塩酸塩
アミノフィリン等のアルカリ性薬剤
との記載があります。
さて、では実際には、着色変化を起こすアルカリ性製剤としてはどんなものがあるのでしょうか?
中外製薬株式会社・医薬情報センターに問い合わせたところ、次のような医薬品との一包化で着色変化が見られたとの回答をいただきました。
・酸化マグネシウム(マグラックス(吉田)、マグミット(協和化学) 他)
・ニザチジン(アシノン(ゼリア新薬))
・ウルソデオキシコール酸(ウルソ(田辺三菱))
・クラリスロマイシン(クラリス(大正富山)、クラリシッド(アボット))
・モンテルカストナトリウム(シングレア(MSD)、キプレス(杏林))
・ウラリット配合錠(クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム(ケミファ))
・アミノフィリン(ネオフィリン(エーザイ)
また、変色する理由として
1.レボドパの分解物であるメラニンが増加して黒色化すること
2.DCIであるベンセラジドの分解物が黒色であること
が考えられるとのことです。
同様のレボドパ/ベンセラジド製剤であるイーシー・ドパール(協和発酵キリン)、ネオドパゾール(第一三共)や、レボドパ/カルビドパ製剤(メネシット(MSD)、ネオドパストン(第一三共))、スタレボ(ノバルティス)などでも、同様の変化が起こる可能性があるので注意が必要です。
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