クスリの勉強とDIニュース

調剤薬局に勤務する薬剤師・ふな3が、勉強した医薬品や疾患の知識、DI情報などをまとめていきます。

カルビドパ配合剤とベンセラジド配合剤によるレボドパの体内動態の違い

   

パーキンソン治療に用いられるレボドパ+脱炭酸酵素(Dopa-DeCarboxylase、DDC)阻害剤(DCI)の配合剤には、
 ・レボドパ/カルビドパ製剤(メネシット(MSD)、ネオドパストン(第一三共)など)
 ・レボドパ/ベンセラジド製剤(マドパー(中外)、イーシー・ドパール(協和発酵キリン)、ネオドパゾール(第一三共))
の2種類があります。

カルビドパもベンセラジドも同じくDCIですが、配合量などに違いがあります。

 ・カルビドパ製剤:レボドパ 100 : カルビドパ 10
 ・ベンセラジド製剤:レボドパ 100 : ベンセラジド 25

また、カルビドパ製剤とベンセラジド製剤の切替時には、効果や服用感、副作用などに違いが表れることが指摘されています。
これは、カルビドパ配合剤とベンセラジド配合剤とでは、L-ドパの体内動態に差が生じることが原因であるようで、「Carbidopa製剤とBenserazide製剤の血中Levodopa濃度差の検討」(加世田 俊ら,臨床薬理 31(2),32-328,1999年)では、次のような体内動態の違いが示唆されています。

 ・カルビドパ製剤→ベンセラジド製剤に変更すると、ドパミンによる副作用が増悪する場合がある
 ・ベンセラジド製剤→カルビドパ製剤に変更すると、パーキンソン症状が悪化する場合がある
 ・ベンセラジド製剤投与時のレボドパ体内動態は、カルビドパ製剤投与時と比較して、最高血中濃度(Cmax)、血漿濃度曲線下面積(AUC)ともに約2倍高い(図)
 ・ベンセラジド製剤では、パーキンソン症状を改善する作用が強いが、血中濃度が高くなり、副作用発現のリスクが増加する可能性が高い
 ・カルビドパ製剤では、パーキンソン症状を改善する作用は穏やかだが、細かい用量調整を行いやすい

levodopa_comb
図:○がカルビドパ製剤、●がベンセラジド製剤によるレボドパの血中濃度推移(上記文献より転載)

カルビドパ+DCI配合剤の処方箋を受け付けた場合、
 ・カルビドパ製剤とベンセラジド製剤の代替処方は控える(疑義照会などを行う)
 ・カルビドパ製剤/ベンセラジド製剤の急激な切り替えに注意する(同上)
 ・切り替えの患者さんには、上記のような特性の違いを踏まえ、
  「切替時にこれまでよりも動き出しがスムーズにいかなくなるかもしれない。」(ベンセラジド→カルビドパ)
  「衝動性やイライラ、不眠・悪夢などの副作用が起きやすくなるかもしれない。」(カルビドパ→ベンセラジド)
  などの服薬指導を行う
といった対応が重要と考えられます。

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Comment

  1. 山口 より:

    59歳主婦です。パーキンソン発病10年目、治療受けて7年目  最初4年間はシンメトレルとビシフロールでしたが、 5年目からマドパーに変わって3年目です。朝晩1錠づつ飲んでいましたが、効果はせいぜい4時間づつくらい 効きが悪くなってきたこともあり、薬を飲み続ける事が怖くなり最近(4,5か月)は半分に医者の許可を得てへらしました。しんどいですが、行く先のこと副作用のこと考えると思い切って薬を止めようかとと考えています。無謀でしょうか?

    • ふな3 ふな3 より:

      山口さま
      コメントありがとうございます。
      ツラいお気持ち、お察し致します。

      まず前提としまして、僕は薬剤師であり、かつ、パーキンソン病の病態に関して、知識が豊富な訳ではありませんので、以下の内容に関して、間違いや不足している点などがあるかもしれませんので、その点は予めご了承下さい。

      結論から言えば、信頼関係のできている医師のもとであれば、減薬→中止ができるかもしれません。
      ただし、よほど信頼関係がないと難しいことも付け加えておきます。

      というのは、服薬中止後に、万が一症状が悪化して再診することになった場合に、その医師の心象が非常に悪くなることが予想されるからです。

      医師が理解がある方であれば、そのハードルは下がるかと思います。

      さて、その点を踏まえて実際に減薬→中止を検討するとすれば、かなり慎重に、段階を経て減薬する必要があります。

      山口さまが十分実感されているかと思いますが、マドパー服用前後で、体の動き方がまったく楽になると思います。
      「段々と効きが悪くなる」というのは、パーキンソン病治療薬の宿命のようなもので、対応としては飲む回数を増やしていくのが一般的です。

      つまり、外部からのドパミンの補充によりパーキンソン症状を抑えている状態ですので、その補充が急になくなるとパーキンソン症状の急激な悪化や、体内のドパミン量のバランスの変化による体調悪化も懸念されます。

      それらを踏まえると、冒頭で書いた通り、山口さまのご希望を良く理解した上で、症状を良く観察しながら減薬をコントロールしてくれる医師のもとであれば、という条件になってくると思います。

      山口さまのご希望の回答になっているかどうかわかりませんが、まずはお答えとさせていただきます。

      • 山口 より:

        ありがとうございました
        やはり 人間関係大事ですものね
        でも、残念ながら 難しいです
        難しいことだらけです。 
        この病には百人百様の答えが必要で
        無理な質問でした  ‥‥
          お答えよくよく考えさせていただきます
          がんばります

        • ふな3 ふな3 より:

          山口さま

          おっしゃる通り、医療分野で万人に共通の「正解」はありません。

          是非、ご自身の症状のコントロールや治療方針は、ご自身の意見を大切にされて下さい。

          医師の処方意図を汲みながら、患者さんが希望される治療とのギャップを埋めていくことが、薬剤師として重要な業務だと思います。

          是非、信頼のおける医師あるいは薬剤師を見つけていただいて、ご自身の納得される治療が受けられる環境になりますよう、また、病状が回復されますよう、お祈り致します。

          また気になることがありましたら、いつでもお声掛け下さい。

  2. 小泉 より:

    去年末パーキンソン病 52歳 マドバー配合錠1日 2錠

    先週病院を変えてメネシット配合錠になりました。

    マドバーからメネシット変更して大丈夫ですか?
    どちらがいいのかわかりません。

    • ふな3 ふな3 より:

      小泉さま

      コメントありがとうございます。
      病院や先生、そしてお薬が変わったこと、大変ご不安なことと思います。

      まず、最初に申し上げますが、小泉さまの病状や体質を直接拝見している訳ではありませんので、あくまで一般論であることをご理解いただければと思います。

      お薬がマドパーからメネシットに変わって、体の動かし方や体調に気になることはありましたでしょうか?
      特に気になることがなければ、そのままお飲みいただいても心配はないかと思います。

      と言いますのは、こちらの記事にも書いたような問題は、マドパーとメネシットを切り替えた直後に表れることがほとんどであるからです。

      もし、切り替えて不調があるのであれば、それは切り替えに伴うものですから、処方医の先生にご相談いただいて、マドパーに戻すのか、メネシットを調節するのか、ということを考えていただく必要があるかもしれません。

      また、パーキンソン病の治療薬は一気に増やすことができないため、今は効果がなくても飲み続けることが大切です。
      逆から言えば、一気に大量の薬を増やしていく処方や、症状が改善しないのに処方薬が変わらない場合は、セカンドオピニオンを検討していただくことも良いかもしれません。

      パーキンソン病の治療は、根気のいるものだと思います。公的支援制度など、サポートも考えてくれる医師のもとで、安心して治療が受けられるといいですね。

      また気になることがありましたら、お気軽にご相談下さい。

      • 小泉 より:

        コメントありがとうございます。
        今週から薬変えました。体調はあまり良くないですが続けてみます。ありがとうございます。

        メネシット配合錠だけでもいいのかな?ネットで見たりすると始めは違う薬など載ってます。ミラベックスとか

        今パニック症がありワイパックスも飲んでます

        • ふな3 ふな3 より:

          小泉さま

          パニック障害のある中での先生やお薬の変更は、より不安になることとお察しいたします。
          小泉さまがお調べになられたように、現在のパーキンソン治療では、ドパミンそのもの(マドパーやメネシット)ではなく、ドパミンに似た作用でコントロールできるミラペックス、レキップなどが優先される場合があります。
          それは、1日1~2回と長く安定して効果があるため、患者さんが症状をコントロールしやすくなるからです。
          しかし、結局はドパミン類似物質として動かしているだけですので、マドパーやメネシットのみで治療をするのも、間違いではありません。ご安心ください。

          体調があまりよくないとのことですので、薬が切り替わった前後の症状を今のうちから、1.どの時間帯に、2.どんな風につらい、3.薬を飲んで改善するか、4.副作用(幻覚、興奮など)・効果の切れ目(急に体が動かせなくなる)などのメモを毎日とっていただくとよいと思います。
          主治医さまに見せると、処方の変更があるかもしれませんし、セカンドオピニオンを求める場合にも、とても役に立つと思います。
          薬局・薬剤師にも見せていただけると、医師が気付けなかった部分でお声かけできることもあるかもしれませんので、ご相談いただくのも1つかと思います。

          • 小泉 より:

            返信ありがとうございます。
            わかりやすい説明で。

            飲みだしてまだ一週間たたないので、記録書いてきます。
            ただ半錠を分けて飲んでます。飲んでも変わらずガクガクします。
            薬は飲むと足にも力が入りにくくなります。

            もしパーキンソンでなくてメネシット飲んでたらどうなりますか?

            質問ばかりですいません

          • ふな3 ふな3 より:

            メネシットなどの薬は、最初から一度に量を増やせないので、半錠から様子を見る、ということで問題はありません。
            一度に増やすと気持ち悪さや眠気、ふらつきなどが表れることがあります。

            「ガクガクする感じ」もそうですが、「力が入りにくくなる」というのもパーキンソン病の症状の1つと言われています。
            この後、メネシットを増量していくことで、そうした状況が改善されていくことが期待されます。

            万一、パーキンソン病でない場合にメネシット等を服用した場合ですが、さほど影響は心配はいらないと思います。ただし、量が増えてきますと、「口が勝手にもぐもぐと動いてしまう」などの不随意運動や、めまいなどが表れることが考えられます。

            いろいろとご心配な点はあるかと思いますが、パーキンソン病の治療は長期にわたることが多いため、ぜひ、主治医の先生との信頼関係を築くためにも、不安に感じている点を、主治医の先生にもしっかり質問していただくことをお勧めいたします。

  3. 小泉 より:

    返信ありがとうございます。
    わかりやすい説明で。

    飲みだしてまだ一週間たたないので、記録書いてきます。
    ただ半錠を分けて飲んでます。飲んでも変わらずガクガクします。
    薬は飲むと足にも力が入りにくくなります。

    もしパーキンソンでなくてメネシット飲んでたらどうなりますか?

    質問ばかりですいません

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