クスリの勉強とDIニュース

調剤薬局に勤務する薬剤師・ふな3が、勉強した医薬品や疾患の知識、DI情報などをまとめていきます。

コセンティクス、タルツ、ルミセフの違い

   

2016年8月、抗IL-17A関連乾癬治療薬、タルツとルミセフが薬価収載されます。
既に発売され、乾癬治療に使用されているコセンティクスも含め、その特徴などについてまとめます。

・コセンティクス皮下注用150mg/シリンジ1mL 薬価:73,123円(瓶/筒) (1日換算薬価:5,224円)
・トルツ皮下注80mg シリンジ / オートインジェクター 薬価:245,873 円(筒/キット) (1日薬価換算:8,781円)
・ルミセフ皮下注210mg シリンジ1.5mL  薬価:73,158円(1日薬価換算 : 5,226円)

コセンティクス(セクキヌマブ、ノバルティス=マルホ)は、ノバルティス社で開発され、本邦初(2015年2月)の抗IL-17A モノクローナル抗体製剤です。

トルツ(イキセキズマブ、日本イーライリリー)は、イーライリリーで開発されたIL-17A に対するモノクローナル抗体製剤です。
トルリシティに採用されている「アテオス」のようなデバイスで、関節症性乾癬のように、手関節がうまく動かせない患者さんでも軽い力で簡単に操作できるようなデバイスを採用しています。

トルツ オートインジェクター

トルツ オートインジェクター

ルミセフ(ブロダムバブ、協和発酵キリン)は、アムジェン社(米)で創製され、協和発酵キリンで開発された、IL-17 受容体A(IL-17RA)に対するモノクローナル抗体製剤です。

IL-17Aと乾癬
IL-17Aは、Th17等から産生され、TNFα、IFNγ、IL-22などの他のサイトカインと共に、炎症細胞の乾癬病変を進行させます。
このIL-17Aの活性を中和(コセンティクス、トルツ)したり、受容体であるIL-17RAを阻害する(ルミセフ)ことで、乾癬治療を行うのが、これらの薬剤の特徴です。

IL-17ファミリーにはA~Fまでの6種類のリガンドと、A~Eまでの5つの受容体が存在しています。
そのうち、IL-17A、IL-17RAが特に尋常性乾癬、関節症製乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症と関連していると言われています。

作用機序等
これまで、乾癬の治療においては、副腎皮質ステロイドやビタミンD3製剤による外用療法、免疫抑制剤やエトレチナートによる内服療法、光線療法(紫外線療法)が行われてきました。

これらの既存治療で効果不十分な症例に対して、2015年2月に抗IL-17A抗体製剤であるコセンティクス(セクキヌマブ、ノバルティス=マルホ) が発売されました。

トルツはコセンティクスと同様に、IL-17Aに結合し、その活性を中和します。
一方、ルミセフは、IL-17受容体A(IL-17RA)に選択的に結合し、IL-17A、IL-17F、IL-17A/F、IL-17CのIL-17受容体への結合を阻害します。

抗IL-17A関連乾癬治療薬

抗IL-17A関連乾癬治療薬

トルツの薬価をめぐる動き
トルツ皮下注80mgシリンジ、同皮下注80mgオートインジェクター(イキセキズマブ(遺伝子組換え)、日本イーライリリー)は、「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症」を効能・効果として8月31日に薬価収載をすることが中医協総会で了承された。薬価は、80㎎1mL1筒 24万5873円、80㎎1mL1キット 24万5873円。ただし、同種同効薬の、他のIL-17 製剤であるコセンティクス、ルミセフを使用しても効果が不十分な患者に限る、との条件付きでの了承となった。留意事項通知を発出することで、効力を高めることも検討されている。同剤は、企業側からの要求により、外国平均価格調整による価格の引き上げが行われた経緯があり、類似薬効比較方式で算定されたにもかかわらず、同種・同効薬の倍以上の1日薬価となっている。

同社は、「効能・効果が適切な処方対象であり、トルツが貢献できる患者さんに制限なくトルツによる治療をお届けしたいと考え、今後の対応に関して当局と協議を進めている」と説明。「中医協では新医薬品の薬価収載は8月31日と公表されているが、現段階で同日8月31日のトルツ発売は難しい状況」としている。また、8月26日以降の注文を停止するほか、すでに注文を受けたものに対してはマイナス仕切書伝票を発行して請求対象外とし、発売日が決定後に売上計上するとしている。(ミクスOnline 2016/08/29 掲載分より引用)

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