クスリの勉強とDIニュース

調剤薬局に勤務する薬剤師・ふな3が、勉強した医薬品や疾患の知識、DI情報などをまとめていきます。

プロトピック軟膏の刺激感の原因

   

ステロイドに代わるアトピー性皮膚炎治療薬として登場した「プロトピック軟膏」(一般名;タクロリムス)ですが、その突出した副作用としては、やはり刺激感があります。

 

プロトピック軟膏を塗り始めた数日~1週間程度、ヒリヒリ・熱感・ほてり感・痛みなどの刺激感が起こる場合が多くあります。

 

これらの刺激感の原因は、「機序不明」とされていますが、

 

・主成分であるタクロリムスによる刺激感であり、軟膏基剤によるものではない(基剤のみの塗布試験では、刺激感の副作用は確認されなかった)

・タクロリムスが、神経成長因子や神経ペプチドを刺激することにより発生することが考えられている

・皮膚バリア機能の破壊が進んでいる炎症部位では、タクロリムスの透過性が亢進しているため、刺激感が起こりやすい=正常な皮膚ではタクロリムスはほとんど透過しないため、刺激感jはほぼ起らない

・タクロリムスにより、炎症が治まり皮膚バリア機能が回復することにより、徐々に刺激感が減っていく(数日~1週間程度)

 

といったことが分かっています。

 

従って、この刺激感を防ぐためには、

・炎症がひどい部位では、あらかじめステロイドを一定期間塗って、炎症を軽度まで抑えておく (プロトピック軟膏の効果は、ストロングクラスのステロイド(リンデロン-Vなど)と同程度と言われています)

・入浴時に刺激感が増すことがあるので、入浴直前、洗顔直前等には使用しない

・入浴や洗顔時などに、患部・患部周辺をタオルなどで強くこすらない

といった工夫が有効です。

 

プロトピック軟膏には、ステロイドのような「皮膚萎縮」(皮膚が薄くなる)や「毛細血管拡張」(毛細血管が目立ってくる)といった副作用がないため、長期の炎症コントロールには、ステロイドよりも向いていると言われています。

 

ただし、皮膚腫瘍(皮膚ガン)の副作用の可能性が指摘されているため、プロトピック塗布部位を日光など紫外線に当てないようにした方がよいでしょう。

 - 軟膏・クリーム剤

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